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私は何故トライナリーを書くに至ったか 【トラカレ2019冬裏面】

そういえば以前のトラカレでは表向きの話と自分の話で2つの記事を書いてる人が多かった気がするので、せっかくの機会なのでそういった自分の話もしてみます。

表はこちらに。

まぁ今回は軽く、何故私がトライナリー……というかみやびを書いているかという話をしようかなと。その上で影響を受けた3つの作品の布教も兼ねて、というかそっちが主になりますが。

 

ちなみに私の書いたものはこちらにあります。少し前色々と忙しかったのと、それが抜けたらリステにどハマりしたのでトライナリーのオハナシは少し遡らないとないですが……近いうちに何か書きます。

 

 

一人称の物語

さて、上にあるように私がSSを最初に書いたのは『ささみさん@がんばらない』です。実は私が何かを表現しようと思ったきっかけもこの作品です。

この物語は"変則的X人称小説"とされており、徹底的にささみさんが語るという形式で表現されています。

彼女は主人公でありながら力が弱く、また"がんばれない"ために物語の肝要なところに限って疎外されがちです。しかしその様な場合でも、あくまでも"後から聞いた話"という伝聞の形式にて語られるのです。

特に後の方になると若干無理のあるケースも多いですが。

そういうわけで"語ること"に興味を持ったというのは大きいと思います。11巻でこの形式であることに重要な意味が与えられますし……。

ささみさん@がんばらない (ガガガ文庫)

ささみさん@がんばらない (ガガガ文庫)

  • 作者:日日日
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/12/18
  • メディア: 文庫
 

ちなみにささみさんは12巻が発売延期→未定になってそのまま6年ほど経ちます。その中で見た幻覚を残してみたいと思って筆を執ったという要素もあったりします。でも、それだけ待たされても私の中の炎が消えないくらい強い物語です。読んでください。

 

"私"の物語

そしてささみさんに加えてもう1つ大きな影響を受けたものとして、同じく日日日さんによる『蟲と眼球』シリーズがあります。

少しネタバレになるかもしれませんが、両作ともに最終的にとある人物が"自分だけ"の不思議な体験を書き残したものという一種のメタ的な構造が与えられています。

私がトライナリーというアプリを通じた経験はとても不思議なもので、しかも自分の繋げた世界を知っているのはただひとり私だけなんですよね。だから構造が似ているとともに、書き残せるのは自分だけということで書かねばということで書いています。

ちなみに『蟲と眼球』シリーズは角川ラノベサブスクの対象なので1月末まで無料で読めます。5冊+アフター1冊と手軽ですし、トライナリー好きな人なら絶対ハマるので是非是非よろしくお願いします……。

 

書くことの物語

最後に、何故私が文字という表現の手法を選んだのかという話をしましょうか。

幼少期から色々な本を読んで文字に触れていたのですが、それを書くことに転換する大きなキッカケは『少女の空想庭園』シリーズでしょうか。音楽と文章で紡がれるのは、モノを書こうと足掻く少女の物語。

一番響いた言葉がノベライズのあらすじ冒頭にあるので、それを引用します。

書くこと――それは『少女』にとって全てであった。そう思うに十分なほど、少女の人生は文字を書く事と共にあった。
感覚した言葉は心の中にうずたかく積まれ、壁をなし、共鳴する物語が色彩を与える。
そしていつしか、少女だけの世界が生まれた。他人と隔絶された気高い場所――『空想庭園』。

少女の空想庭園 ~わたし"たち"のファンタジア! ! ~ (オーバーラップノベルス)

少女の空想庭園 ~わたし"たち"のファンタジア! ! ~ (オーバーラップノベルス)

  • 作者:高野小鹿
  • 出版社/メーカー: オーバーラップ
  • 発売日: 2015/12/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

描こうとする人が多いけれど、書くことを柱にしてもいいんだっていう決意を固められたのは大きかったと思います。

 

 

 

こんな感じでよろしいでしょうか。創ることって大変ですが面白いので、なんかやってみるといいかもしれません。

特にトライナリーは個々人に固有の経験なので、なんらかの形で共有してみては。