電留線

長いものを置く場所です

2.5次元舞台を初めて観に行ったら百合に強襲された話

はじめに

2.5次元舞台、それはいつからか言われるようになった言葉である。2次元と3次元の狭間に成立することからその名がつけられたらしいと聞く。

そんな舞台とは、私は長いこと縁がなかった。いや、とある作品でやっていて行くかどうか本気で悩んだことは一度ある。しかし私生活が色々と慌ただしい時期で諦めてしまった。というかそもそも舞台という表現の形式自体も、中学か高校かの校外学習で触れたかなくらいの疎遠なものだった。

 

時は流れ2020年1月……の少し前。普段配信を観ている声優の藤井彩花さんから、アサルトリリィという作品の舞台に出られるというお話があった。(ちなみにこの配信は恋ヶ崎みやび"役"でお馴染み萩原あみさんとの2人配信で、まあつまりはそういうことである。)

最初はそうなのかってくらいだったが、どうもリブートの一番槍らしく今後も色々展開していきそうなこと、そしてタイトル通り百合の花が咲き乱れる方向性っぽいことから次第に興味が出てきて。そして最終的には、行ってる人たちの評判を見て足を運ぶことを決意した。

 

予約と券受け取り

このようにして直前での決定となったため、座席はは残っていたものから選ぶ形に。その中でも13日の夜公演のS席がラス1だったのでそれを数日前に押さえ、当日に臨みます。

 

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そしてその日がきた。朝10時前に新宿歌舞伎町にある会場の前に着く。今後の予定を考えて朝のうちに券だけ受け取っておくことにする。素早く発券は済み、その用事へと向かいました。

時は進み夕方3時半過ぎには歌舞伎町のルノアールに入り、前述の普段は藤井さんと萩原さんにより行われている配信を観る。毎週月曜16時からなので。ちなみにこの日は流石に、藤井さんの代わりに代打の方が出ていらっしゃいませした。

それが終わると午後5時半すぎ、すでに入場が始まっているので劇場へと急ぐ。人が多くなかなか動きにくかったけど、時間には余裕をもって辿り着きました。

 

入場

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席は10列目と、S席の中では最後尾であった。確かに舞台からは遠いが、決して外れではなかったです。理由は後述します。

床には大量のパイプ椅子が並べられており、その中の一つに収まる形でした。若干のキツさはありましたが、それでも約2時間の公演を観きることはできましたね。

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開演前は壇上にスクリーンが設けられており、簡単なキャラ紹介が映され写真撮影も可能でした。とりあえず誰……いやどのカプを推すことになるかまだわからなかったので、藤井さんの演じる相澤一葉さんを一枚。

そうこうしているうちに開演の時間となりました。

 

開演、そこで見たもの

最初に書いておくと、この節では2.5次元舞台という形式に初めて触れた私がそこから受けた印象の話を中心にします。内容の話は次節にて。

 

最初に少し導入部があったあと、オープニングへ。19人総出でこれから演劇あるのにそんなに踊って大丈夫?ってくらいに動きの多いダンスが繰り広げられて結構驚いたり、舞台上を所狭しと19人の演者さんたちが動き回るさまは圧巻でもあり。ちなみにエンディングもこんな調子、しかもメインとなる一柳隊9人の曲と全19人曲の二本立てでびっくりしました。

そしてオープニングでは字幕と合わせたキャスト紹介があり、それは本編での"つがい"や所属が同じなど一緒に行動しやすい組み合わせに沿ってやっていくことで良い導入になっていた。人数も多めだし、こういう仕掛けはありがたいところ。

それとともに、いまから目の前で繰り広げられるのが関係性の物語だという認識が強められ、ボルテージが急上昇していくのを感じて。そういう意味でも最高のオープニングでしたね……。

 

そして本編へ。本作には色々な用語があるのですが、そういうのに詳しいキャラがいてその娘に解説させるという形で導入していたのは面白いなと。結構早口でしたが思いのほか聞き取りやすく、長すぎないのでむしろスッと入ってきた感じも。これもオープニングと同様、ここから始めていくための配慮が光ってましたね。

 

壇上には階段のようなものが設けられており、左右だけでなく上下の軸も用いて登場人物を示していくのは面白かったなと。後ろの方からでも見やすかったし。

そして壇上だけでなく、通路や会場中央のお立ち台(で合ってるのかな?)も用いてワイドに展開していて。なんというかこれが生の舞台かって実感を強く得ましたね。会場によってはそんなことないのかもしれませんが。

特に私の席は真後ろが通路で、演者さんたちがたまに通るのでそれが面白かったですね。そしてその意味で一番印象に残ったのは、やっぱり一柳隊の1回目のノインヴェルト戦術のときの梅様でしょうか。縮地が本当に高速での移動で、思わず通路とは反対側にのけぞってしまうくらいの迫力がありました。

 

あと何と言っても殺陣がすごい。デカい武器を持った顔のいい女がぶっ放しまくるのは健康にいい。

彼女たちが討伐する怪物"ヴァイス"も、光と音の演出も使いそこにいるように描かれていましたね。特殊能力"レアスキル"や必殺技"ノインヴェルト戦術"のときの演出も良かったなと。特にノインヴェルト戦術でパス回しされる魔法球をスポットライトで表していたのは上手いなと。

そして皆さんスカートを履いてらっしゃるのですが、殺陣やダンスで回転する時にふわっと膨らむのがなんか良いなって思いました。

そうそうちょうどこんな感じでしたね。

 

そしておそらく2.5次元舞台だからこそ受け取れたであろうものの話をします。

壇上で繰り広げられるキャラクター達の感情のやり取りとそれ故に生み出される距離感が、どこか2次元のような近くて濃密なものなんですよね。それこそ百合アニメや百合漫画と呼ばれるもののように。

でもそれを演じるのは3次元の役者さんたちで、しかも画面や紙などの媒体を通さず目の前で繰り広げられるわけなんですね。

このふたつのものが交わったものが目の前で繰り広げられて、そりゃもう感情の処理が難しかったですよね……。でも、私はこういうの好きだなと思えました。

この記事にこうやって纏めるために整理するのにも少し時間がかかりました。それとともに、こういった舞台が人を惹きつけてやまないというのもよくわかりました。

 

登場人物や関係性

さて、ここからはいくつかの登場人物や組み合わせをピックアップして、それらについて述べていきたいと思います。

梨璃と夢結

まずは今回のメインとなったふたりから。

このふたりの馴れ初めってのは今回の重要な要素のひとつでしょうね。対立軸と融和をうまく織り交ぜていて非常に良かったです。

まず最初の甲州撤退戦にて、梨璃の人生を大きく変化させたその裏で大事なひとを亡くした夢結の人生は停滞して。もう始まりからして対照的すぎるんですよね。

でもそうして止まってしまった夢結の時間を動かすことになったのはその時助けられた梨璃で、そうなるともうこれは完全に運命なんですよね。

しかし夢結って普段は毅然とした感じで、梨璃がチャームを起動しようとする時とかが顕著ですよね。でもだからこそでしょうか、ルナティックトランサーを発動するとそうして覆い隠している脆さが表に出てしまって。だから支えとなる人が常に必要なんでしょうね。それはかつてはいすず?みすず?お姉様であり、今は梨璃になり。

二川二水

地味に今回のMVPでしたよね。色んな用語を梨璃と観劇者にわかりやすく教えてくれて本当に良かったです。

物語面でも、次第に自信を手にして最後の同時ノインヴェルトのときの心からの叫びが胸に響きました。

そして鼻血とか新聞とかコメディ担当としても光ってましたよね。特に佳世とのダブル鼻血や終盤のいいところで出てきて雰囲気をぶち壊していくブレなさは印象深かったです。

楓・J・ヌーベル

彼女は本当に、観ているうちに印象が変わりましたね。

最初は、少し時代遅れな感もあるセクハラギャグをブチかましていてちょっと苦手かもなって思ってたんですよ。

でも、梨璃が自分に振り向かず夢結様に向かっていってもそれを着実に応援していって。彼女の感じた運命と梨璃への想いは確かなものだってわかって好きになりましたよね……。

最後には思わぬ出来事で梨璃に完全にノックアウトされてしまった彼女。その想いは消えそうもなく、今後どう転がっていくのか気になりますよね。

神琳と雨嘉

このふたりはとにかく安定感がありました。

確かに雨嘉の背中は梨璃も押していたけど、それでも常に彼女の側に立ち支えていたのは神琳でした。たとえその始まりが嫉妬だったとしても、その結果として紡がれた関係は本物なんですよね。

これは後で調べて知ったんですが、このふたりルームメイトなんですよね。なんか創作意欲が捗るような気がしませんか?それと逆に、ほかのみんなはどんな人と同室なのか気になってきますよね。

 

一柳隊だけでなく選抜隊にも気になる組み合わせやメンバーはありましたが、今回はあえてこのふたりだけについて深く触れようと思います。

今叶星と相澤一葉

前述の通りふだん藤井彩加さんの配信を観ている影響は否定できませんが、それ故にこのふたりの動きに比較的注目していたからこそ、推せるなという結論に達しました。

 

まず一点挙げるならば、このふたりの間には確かな信頼が感じられるんですよね。

特にそれが印象づけられたのは、ふたりが下北沢に増援として到着して最初の方の殺陣のシーンでした。なんとこのふたり、腕を組んでクルクルと回転しながらそれぞれのチャームを乱射したんですよね……。わかりやすくいうと以下のやつです。射撃はなかったですが、スタァライトでも真矢クロが似たようなことをタッグレビューのときにやってましたね。

合流してすぐにこの精度の合体攻撃を繰り出せるということは、確かな信頼がふたりの間にあるのだと感じられてまずノックアウトされましたねほんと。

 

そして、あとからふたりのことを調べて知ったのですが、それぞれ所属ガーデンでの有力なレギオンのリーダーで、その所属校の色がまた正反対なんです。

叶星の所属する神庭女子藝術高校は実力者が集まるところのようで、リリィたちの自主性を尊重し精神面の成長を促すところのようです。*1そして一葉の所属するエレンスゲ女学園はリリィになるには魔力が足りない人でも入学できて、そのあとトレーニングや強化を経てリリィになろうとするところから始まるそうで、それ故に武闘派が多く犠牲を顧みない向きも強いとか。*2

そんなふたりはリーダーとしての在り方にも違いがあるんですよね。叶星は戦場に向かえるよう自分を変えるために前に立ち、一葉はエレンスゲの犠牲を顧みないやり方を変えようとしていて。でもそういう違いがある故にこうして手を取り戦おうとするときにはぴったりハマるんですよね。こういうふたり大好きです

 

所属校が違うのにここまでの深さを見せてくれるこのふたり、是非とも馴れ初めについて伺いたいですよね。特に一葉は1年生と明言されているので*3、どこで接点を持てたのかがひたすらに気になります。

ただふたりとも、それどころか両者の所属するガーデンすら今回の舞台が初出のようなので、どうしても出ている情報が少なくまだ何とも言えません。今後に期待ですね。

一応ヒントとなるかもしれない情報として、叶星は中学まで武闘派として名高い御台場女学校に通っていたが、内面の弱さを克服するために転校したというのがあります*4。もしかしたらその辺りになにか鍵があるのかもしれませんね、長年関係性コンテンツを見てきたオタクのカンですが。

 

最後になりますが、このおふたり非常に顔が良くあらせられますよね……。叶星は余裕のある感じ、そして一葉はイケメンで背も高くと別方向でバランスがいい。そこに一葉が叶星を強く慕ってるところが見受けられるのが本当に良いんですよ。

特に一葉については、藤井彩加さんは普段の配信で割とボケキャラなのでそれもあってインパクト強かったですね。あんなイケメンもできたんだって。やっぱり声優さんってすごい。

そして演者絡みでもう一つ。カーテンコールで壇上に皆様が揃うとき、左から出てきた梨璃役の赤尾さんと右から出てきた夢結役の夏吉さんが抱き合うのに応じて、同じく左右から出てきた叶星役の前田佳織里さんと藤井さんも少し遅れて抱き合ってて最高になってしまいましたね……。

 

おわりに

いやほんと2.5次元コンテンツへの興味が急速にかき立てられてしまいましたね……。動けそうな時には動くのを心がけていきたいです。

 

そして、ここからリブートを始めるスタートラインとして面白かったです。強い興味をかき立てられましたよ本当に。下手したらコンテンツの大元であるドールに首突っ込んで沼落ちしかねないくらいには。

7月からアニメ、そして9月から舞台第二弾とまだまだ続く彼女たちの軌跡を追っていきたいです。舞台行けなかった人も関係性コンテンツが好きならアニメは観るといいかもしません。

何より叶星と一葉の馴れ初めを知るまではやめられねぇ……

 

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『&CAST!!!アワー ラブエール!』の月曜女子チームは、『萩原あみと藤井彩加のあみあや放送局』のタイトルで午後4時から放送中です。今日の放送ではアサルトリリィ舞台の話もされそうなので、観にきてみてはいかがでしょう。