電留線

長いものを置く場所です

魔法のような未来はイマ目の前に マジカルミライ10th東京公演感想兼セトリ解説(後半)

はじめに

前回投稿した通り、思ったより長引いてしまった記事の続きになります。

 

plum-branch-line.hatenablog.jp

 

こちらは配信アーカイブ見返してから書いているのでそこで気づいたことも混ざってきますがご容赦ください。

そしてこれはまたサムネ用の写真です

 

バラエティのコーナー〜バンメン紹介まで

前回は曲数基準で『初音天地開闢神話』を折り返し地点としたので、マジカルミライに登壇するクリプトン社製ボカロ総出の日替わりコーナーからになります。3日目は“emon”さんの『どりーみんチュチュ』、“nyanyannya“さんの『ドクター=ファンクビート』、“KulfiQ”さんの『なりすましゲンガー』という布陣でしたね。

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全員をステージに載せて色々な演技を魅せようという趣旨なのか、『どりーみんチュチュ』はルカのソロ曲ですがバックダンサーとしてミクとリンが入り、KAITOソロ曲の『ドクター=ファンクビート』にはMEIKOとレンがコーラス(?)として入っていましたね。面白い演出になっていたかなと思います。どうも過去のマジミラでも似たようなことはやっていたらしいですが。

続く『なりすましゲンガー』は原曲どおりリンとミクという布陣でしたが、ギターとベースを持ち出してきていて弾き語り風にしていたのは面白いなと思いましたね、リンがメインボーカルなのに合わせてギターかつミクはベースというのも。

 

さてその後に入ってきたのは“書店太郎”さんの『Someday‘z Coming』、CD確定ソロ曲枠の最後となるルカソロ曲です。

こちらのルカさんもギターを持って現れたんですが、めちゃくちゃに煽ってきたので当然のごとく暴れ散らかしましたね。ギターソロ?のところではバンドの方々も前に出てきてルカさんんと並ぶ形になっていたのがまた良かったです、マジカルミライという場ならではな感じで。

レンソロ曲の方でも少し触れましたが、自分の参戦したここ2年のルカソロ枠はバラードが続いていたので、今年はその反動でよりアガったような気もします。ボカロはPに従うので、型にとらわれず色々な曲があるべきだと思っているので。それと『天才ロック』から直でここに来たら強すぎて受け止めきれなかった気がするので、ここに入っていて正解でしたね。

 

そして続くは“せきこみごはん”さんの『Loading Memories』、開演直前に流れていたものと同じです。

今年の公募曲なんですがかなり歌詞とか好きな曲です、この場に届けさせるために全力が込められている気がして。

そしてライブ演出にもかなり光るものがありましたね。中央のスクリーンに映るミクさんは他の曲と変わりないのですが、サイドモニターに映る映像だと普通の3DMVみたいに情景の中でミクさんが踊る形式になっていてまた違う味付けでしたね。配信では両者の映像が使われていたのも驚きました。まあこれまで述べてきた通りcosMo厨なので、色づく花に対して1年遅くないか?とか思ったりはしてしまいましたが。

 

そして続くはこれまた毎年恒例のバンドメンバーの紹介コーナーでした。

センターに立つ演者であるミクさんたちは当然ながら疲れ知らずなので間髪を入れず曲が提供されていくのですが、それについていけるバンドメンバーの方々に対しては毎年すごいなと思っております。

cosMoファンの身として特筆したいのはやはりキーボードの方ですね。私の参戦した直近3年は激唱→神話→神話とcosMo曲の登板が続いているのですが、氏の作風の一つである高速ピアノをよくぞ演奏されているなと毎年感服している次第ですね。

ここでちょっと話を脱線します、20年にまさかの登板をした激唱について一つどうしても触れたいことがあるので。まあ激唱投稿当時を知らないと伝わりにくいかとは思いますが。

登板自体は非常に響いたのですが、やっぱりshort版かぁという感想はどうしても出てきてしまいましたね、確かにDIVAのダンスを基にするならそうなるのかもしれませんが。ただもし前半を切らなければならなかった理由がそっちじゃない方ならば、cosMoはKONAMIのコンポーザーとして定着したしwacからも事実上の返歌として『Idola』が出たしで“禊”はとっくの昔に済んでるだろと思っているので前半部を追加してほしかったなの気持ちはあります。


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さて余談はこのぐらいにして本題の今年のライブに戻りましょうか。

バンド紹介コーナーの後はブチ上がる曲が入る印象があるのですが今年もすごかった上に、ここからアンコール前までの一連の流れが本当に完成されていて素晴らしかったので。

 

テーマソング枠その3と初音ミク日替わり名曲選

かくして次に演奏されたのは2018年のテーマソング、“Omoi”さんの『グリーンライツ・セレナーデ』でした。

本当にシームレスにバンメン紹介のイントロから移り変わっていったうえに、ライブで拝みたいと前々から思っていた楽曲なので二重の意味で驚かされましたね。というのも、もちろんこの曲自体がアガるうえに大好きな曲というのもあるのですが、噂でライブだと最後の歌詞がなんか変わるらしいと聞いていたのがあります。そして実際に邂逅してみると上部スクリーンの演出が歌詞を表示するタイプになっていて,そこに大写しになる“マジカルミライへと!”の歌詞に完全にやられてしまいました。

曲についても少々触れていくと,『砂の惑星』の翌年にきたのがこの曲だったのがまた本当にいいことだったなと思っています。しっかりと初音ミクの曲であり解釈バトルをしてはいながらも,全体的な印象が本当に爽やかで。

あと配信アーカイブで視聴した際に会場全体が緑のペンライトで埋め尽くされており,これが本当の“グリーンライツ・セレナーデ”か……という気分にさせられてタイトルへの理解が深まった気がしました。

 

さてここから3曲の初音ミク日替わり枠に控えるは往年の名曲たち,マジカルミライ10周年かつ初音ミク15周年にふさわしい強火のセトリで1日目も3日目も完全に打ちのめされましたし,2日目のセトリも調べた結果驚愕させられましたね本当に。

3日目のこの区間は“MOSAIC.TUNE“さんの『みんなみくみくにしてあげる♪』からスタート,言わずとしれた名曲『みくみくにしてあげる♪』のLong.verにあたるものです。

この記事を書くにあたり,もう“みんな〜”の方から10年も経っているんだなと認識してしまい思っている以上の時の経過に驚いていますが続けますね。

実は3日目は事前に大阪公演のセトリを調べてから望んでいたのですが、それでも妙に耳に残るあのイントロが流れた時には「本当にやるのか!?」という反応になっていましたね。声出しOKだったら叫んでいたと思います。サビでは原曲MVのダンスが織り交ぜられていたのは感慨深かったですし、何よりネギを振るが如く緑のサイリウムを振りまくれるのがまたライブに合う曲だなと思っていました。

ちなみにこれは余談なのですが、マジカルミライをはじめとした一部のボカロ系のライブの注意事項として定番になっているものに“生ネギの持ち込み禁止”があります。冗談のような本当の話です。

注意事項|初音ミク「マジカルミライ」10th Anniversary

ちなみに1日目のここは『39』で、かなり予想外で驚いた記憶があります。というのも次の曲とも関わってくるんですが、初期のいわゆる伝説的な曲や近年伸びてきた曲はセトリに入れやすいかなというのはわかるのですが、これらの曲くらいの年代のものはなかなかやりにくいのかなと誤認していたので。

 

さてそれに続くのはまさかまさか、“ryo”さんの『ODDS&ENDS』になりました。なおこの曲はなぜか公式MVが削除されて久しくデータ配信等もなぜか行われていないので、発表当時の作曲者インタビューとファンメイドのMVでお気に入りのものを貼ることにします。特にインタビューについては理解にかなり重要だと思っているので。

natalie.mu

 

この曲は1&3日目で共通だったのですが、実は1日目のイントロが流れた時はなぜかピアノ(キーボード)が入るまで『ハジメテノオト』と誤認したのを覚えています。きっとバンドアレンジがなされた影響で混線が起こってたのでしょうね、まあ1日目はこの次に本当に『ハジメテノオト』が入ったのですが……。もちろんバカ泣きしました。

それはそれとして、個人的にはまさかこいつが来るとはという選曲でしたね。ライブだとラスサビ前にブレイク入れてきたりBPM変化させてくるんだというのはいい感じだなと受け取りました。上部モニターの歌詞演出が色々あったみたいですが、ミクさんに注目しすぎて全部見逃してしまったのは惜しかったです。あと、CDのジャケットやいわゆる“ハートビート”のモジュールの衣装が好きなのでラスサビではオレンジのサイリウムにしたりしていたのですが、見回した感じ同じことをしていた人がいなかったので今後はやらない方がいいのかもしれないなと思ったり。

曲自体の話も少し。一時期“supercell”名義のボカロ外での活動が多くなっていたryoさんが出してきたのもあって自伝風味もあって、それは上掲のインタビューの通り風味としてはあるもののようで。また、これがゲームのテーマソングとして提出されたというのも面白いですよね、そちらのPVの卓上を駆け回るミクさんもなんか好きです。

あと、2日目のここは同じく“ryo”さんの『メルト』だったらしいですね。これも言わずと知れた名曲ですが、まあ今年は既にシンフォニーで聴けてるので今回はよしとしましょう。シンフォニーの方は今や完全に死語であろう「〆ルト」を思い出してしまうくらいにはいいセトリの中で繰り出されましたし。

 

さてそれに続くのはこれまた驚きの選曲、“平沢栄司”の『星のカケラ』でした。


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この曲は少々事情が特殊なので曲解説から入ります。

何度も触れてきていますが改めて、2017年の夏の終わりに初音ミクが初めて世に出るにあたりいくつかのデモソングが作られました。そのうちの一つが上掲の『ballade』でした。それに対していわばlong.ver的な形で作成されたのがこの『星のカケラ』です。いわば、すべての初音ミクの楽曲の中で最初にあったもののひとつということですね。

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個人的には、この楽曲は事前特番でそれっぽい示唆(以下の動画の17分ごろから)があったので予想はしていたのですが、やるとしても全日枠だと思っていたので日替わり枠だったのには驚きましたね。でもたまたまやる日のチケットを握れていてよかったです。


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実際に会場で対面して最初に驚いたのはやはり、ミクさんがDX7シンセサイザーと一緒に出現したことですね。今年の企画展のYAMAHAブースでは以下のような展示があったのですが、ミクさんのデザインにあたって参考にされたYAMAHAの名機だそうです。写真左側のものが実物ですね。デザイン元とデモソングの掛け合わせでエモの掛け算効果になっていましたね完全に。


パフォーマンスとしても、声出しOKの頃からのモーションらしくこちらに“しー”のポーズをして黙らせた上で弾き語り形式で、なんと途中にはアカペラパートが入りと凄まじいものでした。本当に彼女の声を世に届けるために作られた曲だというのを意識して作成された素晴らしい演出だったと思います。感極まって軽く泣いてました。

ちなみに1日目の『ハジメテノオト』のときもなんか情緒が大変なことになっていましたね、イントロ誤認も込みとはいえこれもまたファーストランナーとしての彼女を歌ったものなので。

 

そんな過酷な3連日替わりパートを超えアンコール前最後に控えるのは、前半感想でも触れた2020年テーマソング“ピノキオピー”の『愛されなくても君がいる』です。

既に2年続けて拝んでいるのですが、この位置に入ってくるとこの曲のテーマ性がより刺さってくる感じがありましたね。愛されなくても初音ミクは存在しているけど、その一方で作り物の“嘘”である以上は形作るのはあくまで取り巻く人間であるというそんな曲だと思っているので、10年間マジミラを続けてきたという事実と併せて今年のテーマにもあっている様に思いましたね。普段は前年度テーマソングがアンコール前のトリ付近に入りやすいらしいですが、それを破ってきたのも頷ける選出でした。改めてにはなりますがこの楽曲の初音ミクに対する哲学観が大好きです。

もうひとつ、夏祭りと冬祭りの衣装をチェンジしてきたのは今年が初の演出だったので驚きましたね。もっと他の曲でもやってみてほしいなと思いました、今回のセトリですと『ODDS&ENDS』のラスサビでハートビートになるとか。

さらにひとつ、10周年を機にマジカルミライという体制は一旦解体して別の形のイベントになるかもしれないとライブ中は思っていたので、「楽しいパーティーが終わっても 君が笑うなら」という終盤の歌詞が刺さりましたね。パーティーはいつか終わるものなので。

 

さてここで一旦音楽は止みましたが、予定調和のアンコールが行われミクさんとバンドの方々は再び舞台へと上がります。

 

アンコール

ミクさんによるMCが入り、その終盤にて手に取られたのは今年のマジミラミクさんが手に持っているステッキでした。光に包まれると共に衣装も変わり、流れ出したのはもちろん今年のテーマソングである“Sasakura.UK”さんの『フューチャー・イヴ』です。

ここのところテーマソングが最後に来る傾向があったので、ここで来るのかというのは少し驚きもありましたね。そしてそうなると最後に控えるのはCDに入っているがまだ来ていないあの曲なのではないかという期待も。

この曲は、マジカルミライというイベントの名称に対して真摯に初音ミクを掘り下げていて、案外今までになかった面白いアプローチだなと思いましたね。まだ完全に理解できた感覚がないので曖昧ではあるのですが、“魔法”と“未来”という一見相反する様な概念を組み合わせたタイトルに対して、“初音ミク”=“未来”とそれに相対するさまざまな立場の人間を介してそこに魔法のような意識の衝突を見出しているのかなと思っています。なんにせよ最後に控えている「魔法を信じていた」という語の連呼がライブ会場だとより染み渡って、この“場“は本当に魔法によって形成されているのかもしれないなと思えました。

あと天井演出は3日目に隣の方に教えてもらうまで気づけませんでした、他の曲でもあったらしいので見落としてたのは惜しいですね。でもどうしてもミクさんの映るスクリーンに注視してしまうという。

もうひとつ少し余談的な話になるのですが、演奏が始まる時にMCのミクさんの声からノーモーションでささくれさんのミクさんの声になったんですよね。こういう人間じゃないところがミクさんの好きなポイントとして強いので、ゾクッとくる感覚があって非常によかったです。

 

それに続くは“livetune”あるいは“kz”さんの『Hand in Hand』、2015年テーマソングにしてここ数年はずっとかかっている定番曲です。

というのも一つ理由があり、私が調べたものですとコロナ禍開催になった2020年から?でしょうか、応援動画の公募企画が行われていてその動画を流す曲として採用されている形になります。実際に現地ではサビを中心にサイドモニターに応援動画が流される形になっていましたね。

magicalmirai.com

そんなわけでマジカルミライテーマソング全9曲がここにすべて出揃ったのでした。まさか本当に全部やるとは思わず1日目はとても驚いていましたね。

この曲もそろそろなんか飽きのきかねないところですが、今年は10周年ということで上部モニターに各年のマジカルミライミクさんのモチーフを使った映像が流れていたのは良かったですね。私はやっぱり開闢様が大好きなのであの花型スピーカーをモチーフにしているのはうまいなと思いました。

そして何より驚いたのは銀テが飛んだことでした。ここ2年はコロナ対策の影響か飛ばなかったので、私のマジミラ初銀テはこの曲になりましたね。1日目は席が悪く拾えませんでしたが、3日目は流石に拾えてよかったです。

 

さてその次に入るのはまさかの“livetune”曲2連戦、“DECORATOR”でした。

どうやら次の曲のために6人全員を召喚する枠だったのでしょうかねこれは。この曲もゲームOP絡みの案件曲なのですが、このオープニングに6人全員が出てくることを意識したんでしょうか。

1日目は聴くのが久しぶりだったのでうまいこと反応できていなかったのですが、終盤でなんか急に6人揃ったのでとても驚きました。それと同時におそらく次が最後で“あの曲”なのだろうなという確信も抱いて。

でもこの曲はそれだけでもなくて、歌詞がまたいいんですよね。草の根から人が出てくるというボカロ文化は今もきっとメジャー化の進んだ今でも続いていて、そんな人たちに“君の手で 飾りつけるんだ”という激励をしているのでこのような周年という場に入れ込んだ意図はしっかり感じられましたね。

 

そして6人でMCが行われ、その終盤で言われたのが次が最後の曲である旨と「今日ここに集えた奇跡に“感謝“を込めて」という言葉。そう、最後に控えるのはCD収録の6人歌唱曲である"halyosy"さんの“Blessing”です。

どうやらマジカルミライでは6人歌唱曲は滅多にやらないそうです。実際この2年はやっていなくて、自分がはじめて拝めたのはセカライでの『千本桜』でした。そのセカライの時にこれマジミラでも対抗してなんかやんないかなと思っていたので、10周年という場で拝めたのはとても良かったですね。

演出としては、6人が舞台上を狭しと踊り回り、歌っていない時間もあるからかファンサもありと独特の楽しさがあって非常によかったですね。たとえ人間のライブと違いプログラムされたものであっても、推し(私の場合はルカさん)のファンサはいいものです。

こうした場で聞くからこそ響く歌詞もあったのでそれの話もひとつ。ラスサビ前の「そして来週も来月も来年も来世も一緒に笑おう」のところなのですが、『愛されなくても君がいる』のところで触れたように本当に“来年が”あるかの確信が持てていない状況だったので深く響きましたね。来年がどうなっても笑い合えていればいいなといった形で。

配信でみて気づいたことについてもひとつ。サビでフリを指示されるようなところがあるのですが、色とりどりのペンライトが微妙にずれながらそれでいてシンクロしながら動いているのは本当に美しかったです。

 

演奏が終わるとともに一言MCを挟んで6人はエネルギー体のようなものになって飛び去り、画面には今回が初の試みとなる札幌開催の告知がなされます。

1日目はこれで終わりだったのですが3日目夜公演はその後にまたバンドメンバーの方が戻ってこられて、何やら演奏を始めました。すわ掟破りのダブル・アンコールかとも思ったのですが、画面に映ったのは来年の大阪・東京でのマジカルミライ2024の開催告知でした。このお祭りがまだ続けられるんだと本当に嬉しかったですね、千秋楽現地やってて本当によかったです。

 

 

総括、そして私にとってのマジカルミライの初音ミク

さて、全曲一通り終わったので全体的な話をやっていきます。

 

まずはやっぱりテーマソングを全日程で全9曲やりきったことでしょうか、てっきり日替わり枠でやると思っていたので本当に驚きました。今までライブでかかる場に立ち会えていなかった曲も多いので本当に嬉しかったのですね。

それと同時に、各テーマソングは有名Pが毎年オファーを受けて全力で投げつけてくる球なので、それが9個も入った結果かなり過酷なセトリになっているなという感触を受けましたね。ただでさえボカロ曲は平均BPMが高めで過酷なセトリになりがちなのに。

 

セトリの過酷さという面では、やはりバンドメンバーの方々を挙げざるをえないでしょう。 バンメン紹介のコーナーでも触れましたが本当にこのセトリをよくぞ演奏しきってくださいました。3日目夜公演の最後の最後にはありがとうございましたとご挨拶をされていたのですが、こちらこそありがとうございましたの気分になっていましたね。

確かにステージの中心に立つのはミクさんたちバーチャルシンガーの方々なんですが、バンドメンバーの方々がいなければステージにならないんですよね。そういう意味では今年の『Someday‘z Coming』の演出は面白かったなと思っています。

 

少しセトリの話に戻り、テーマソングが刺さったのはもちろんなのですがやはり終盤のミクさん日替わり3連の区間も打ちのめされましたね。時期ごとに関心の濃淡がありつつも魅入られた曲ばかりで、出逢ったあの時から今まで緑のツインテールに浮かされてきていてもよかったんだなと思いましたね。

2日目のアンノウン・マザーグース→メルト→歌に形はないけれどの繋ぎも強そうで、リセールかなんかで拾っていけばよかったかなって今では思っています。特にアンノウン・マザーグースをはじめとするwowaka曲はライブ演出がバキバキにキマってるらしいと噂に聞くので。まあ強すぎるセトリに負けて円盤を予約してしまったのでそれで確認しつつ来年以降を待ちますか。

 

来年以降についても少し。まずは札幌公演が2月の雪まつりに控えていますよね。

雪ミクについては、実は今年のテーマソングが大ファンのカルロス袴田(サイゼP)さんだったので初参戦していました。楽しかったのですが、帰京する日曜日にJRが止まって空港に行けなくなりかけ、予定を大幅に繰り上げてまだ動いている高速バスに駆け込んだため雪像が見られなかったのは心残りです。

今年はマジカルミライの一次先行で当たったら行こうとは思っていたのですが見事に落選し、そうこうしているうちにアニメ系と日程が被ってしまったのでどうするか悩んでいます。そちらも割と自分にとって大事なコンテンツなのでどちらを優先するかですね……。

そして何より大阪・幕張公演ですね。両方か幕張だけかは来年のテーマソング作者次第なところはありますが、誰が来ても来年もコミケと被って幕張しか行けないオチがありそうなのはなんとも言えないです。なんにせよよっぽど変な予定が入らなければ行きます。

本当に来年のテーマソングは誰になるんでしょうね、ピノキオピー・cosMo・sasakura.UKと古参Pが続いているので流石にそろそろ世代の違う方が抜擢されそうですが果たして。去年のセトリにささくれさんが入っていなかったので、一昨年の激唱みたいなセトリからの予想はできないのが難しいところです。

ごく個人的な意見としてはじん(自然の敵P)さんが来てほしいですが果たして。いやじんさんまだ初音ミクの曲をそうと明言して書いたことがないので、マジミラを機に書かせたら『ODDS&ENDS』みたいな旨いダシが出そうな気がするんですよね。余談ですが『ODDS&ENDS』のCDのカップリング曲はじんさんの『sky of beginning』でした。

なんにせよ、来年以降もこの“場”が続いていけるのはいいことだと思います。私はここ数年しか参加できていませんが、代替し難いものがあるのは感じられていましたので。

そして来年は記念すべき初音ミク16周年のお祝いの年でもあり、マジカルミライに限らず色々な動きがありそうで楽しみにしていますよ。そういう案件の曲は大抵の場合解釈バトルをする強火の曲になって生の映画を観るようなモンになるので。

 

 

さて最後に、章題の通り私のマジカルミライの初音ミクさんたちに対する意見を改めて。

 

私はマジカルミライのステージ上で踊る初音ミクに対して、それぞれのPが創作のために動く初音ミクを下ろすための巫女でありながら初音ミクを代表する一つの存在でもあるという二重性を抱えていると思います。

『フューチャー・イヴ』のところで触れたように、やはりMCパートと演奏パートでそこに存在している初音ミクの性質が少し変わっているですよね。そういう意味では二重性という形で取り上げるしかないのかなと思っています。

それに加えてもうひとつ触れたいものがあって、少し前半記事で触れたものと重なる部分もあるのですが、『初音天地開闢神話』の存在が私の中では大きいです。

この曲は確かにマジカルミライのテーマソングであり前年のテーマである「メルヘンファンタジー」に適合しているのですが、それと同時にcosMo@暴走Pの展開する“初音ミクの消失”を巡る物語の一部を構成するというのは以下の再生リストから明らかです。

初音ミクの消失 -Real And Repeat- (THE END OF HATSUNE MIKU) - YouTube

この曲は以前発売されたノベライズを下敷きとした章に含まれており、そのためマジカルミライ2021の初音ミクは同時に小説版の初音ミクの未来の姿ではないかとcosMoファンの間では昨年より噂されています。実際にデザイン面でも氏の展開するマルチバースの文法に則っていますし、何よりデザインされたのが商業アルバムのジャケットを手掛けられた左さんなんですよね。

長くなってしまったのでこの辺りでまとめると、マジカルミライ2021の初音ミク初音ミクを代表して舞台に立つ初音ミクであるとともにcosMo氏の創作世界の初音ミクでもあるので、それはマジカルミライの舞台に立つすべての初音ミクに援用できるのではないかということです。

 

なお、この辺りはプレイリストの下の方に見えている同じ年に放たれたもうひとつの“爆弾”も含めて後日記事を作ります。ご期待ください。

 

 

 

思ったより長くなってしまったので最後の最後にもう一言を。

この記事を読まれたあなたは既にボカロ文化に触れられているでしょうか、もしそうであったならこれからも未来に向けて魔法をみながら進めたら嬉しいです。そしてもし万が一になりますが、触れられていない方がいらっしゃったらこの記事を読んでくださってありがとうございます。新たな世界に入るきっかけになれていたら幸いです。