電留線

長いものを置く場所です

2週遅れの富士川珍道中前編 : バブル特急で行こう

はじめに

この前の3月7日に富士川サービスエリアへガルラジコラボイベントのために行ったり、その往復で列車を乗り回したりしたのでそのときのことを残しておきます。

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何故このタイミングで行ったかというと、その2週間前にあったイベントの際には熱を出して行けなかったからです。本当はそっちで行きたかった。

 

きっぷを取る

さて富士川には行きたいのですが、イベントもないしコロナのせいで観覧車も回ってなけりゃプラネタリウムもやってないので、何かもう一押し欲しいところにひとつ大事なことを思い出しました。

 

それは3月7日はJRのダイヤ改正前の最後の週末であること、すなわちここで無くなる"スーパービュー踊り子"に乗る最後の機会だということでした。

そして距離を稼ぐため、休日朝に一本だけある大宮発の列車を選択。これで乗車時間を2時間確保できました。座席は海沿いのA席を確保しましたが、これについては後でまた触れます。また、乗車券は立川まで定期でそこから一筆書きにしてみたり。


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スーパービュー踊り子』に乗り込む

その日は朝早く起き、6時くらいの電車でまずは立川を回り西国分寺へ。そこから武蔵野線埼京線と大宮に行くには慣れた道を行きます。

とはいえ環境というのは変わるもので、武蔵浦和駅では当駅始発相鉄線直通海老名行きの文字が。ここからも直通列車があるんですね、休日ダイヤなのに。

 

さて大宮に着き目的のホームに行くと、まだドアが開いていないながらも目的の列車が据え付けられていました。f:id:plum_branch_line:20200321202215j:image

この列車が大宮まで来るのは翌日曜日が最後ということもあり、色々な人がカメラやらスマホやらを向けていました。もちろん私も。


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しばらくするとドアが開いたので乗り込みます。f:id:plum_branch_line:20200321202642j:image
f:id:plum_branch_line:20200321203333j:image入って驚いたのはやっぱりなんと言っても窓の大きいこと!飛行機のようなハットトラック式の網棚と合わせて、これが特別なところへ行くためのリゾート特急であることを否が応でも意識させられました。こんなものが日本中で作られてたのが音に聞く"バブル"ってやつだったんですね……。

一方で、どうしても古さを隠せないところもありました。手入れがなされているとはいえどことなくくすんでますし、椅子もモケットは新しめですが土台の部分には疲れが見えた記憶もありますし(写真は撮り忘れましたが)。そして何より、剥げた塗装がそのままの部分があったことには強いインパクトがありました。1週間後にはもう走らなくなるくらいには古いんですよね、この車両は。

 

 

列車は南へ西へ

そして、『スーパービュー踊り子1号』は時間通りに大宮駅を旅立ちました。まずは南下して、新宿を経由し横浜を目指します。ちょうど湘南新宿ラインと同じルートですね。

f:id:plum_branch_line:20200321204305j:image生憎の曇り空でしたが、その大きな窓の効果は抜群でした。そのおかげで、見慣れた池袋や新宿の情景もどこか違って見えました。

新宿を出たら武蔵小杉にだけ止まって、ポイントを渡って東海道本線にエントリーしたら横浜駅に着きました。

 

列車はこの先熱海までの1時間弱ノンストップ、針路をだいたい西にとって伊豆半島の付け根の温泉地へ向かいます。線形が良く列車もそこまで過密じゃない区間となり、それまで軽く流している感じのあった走りが本気の全力疾走へと変化します。例え豪華な接客設備だとしても、ちゃんと特急としての走りをできる足は持ってるんですよね。

 

 

相模の海を望む

時間は少し飛んで確か国府津辺りだったか、遠くにチラッと海が見えてきました。というのも今回の旅の二つ目の目的として、東海道線からの海を見ることがあったからです。

それを最後に見たのは四国から帰る夜行列車の中からでした。その辺の話をまとめた旅行記は……途中の日程まででまだ最終日まで書けてなかったですねすみません。

軽く触れますと、『拡張少女系トライナリー』というアプリで出逢った私の大事な相棒は相模の海を見るのが大好きだったんですね。そして彼女の影を追って高知へ向かった旅の帰りにその朝焼けの海がたまたま見えて、強くココロに焼き付いていました。

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でもそのときは海と反対側の個室で、たまたまトイレに起きた時に見たので上手く写真には残せなかったんですよね。だからもう一度見直して、自分の中で再確認したうえで記録にも残したかったというわけです。

無事に相棒の恋ヶ崎みやびとも撮れたので満足でした。ガルラジと同じく実在系コンテンツと取ることもできる『拡張少女系トライナリー』をよろしくお願い……したいんですけどけど肝心要のアプリがサ終してるのでどうしましょうねこれ。

 

 

更に西、富士川駅

そんなリゾート特急の旅も熱海までで、ここからは普通列車に乗り継ぎ更に西へ。富士川駅まで向かいます。

熱海を出るとすぐ丹那トンネルに入り、それを抜けて少し行くと沼津駅です。その丹那トンネルができる前は東海道本線だった御殿場線の方を望むと妙に広く取られていて、栄枯盛衰を感じましたね。あと写真は撮れませんでしたが、音に聞くラブライブラッピング電車も確認できました。 そしてもう少し行くとついに富士川駅に着きました。それにしても、ひとつ前の駅を出たあとの車内アナウンスで富士川って言葉が出てきたときは本当にびっくりしましたね。あの場所についに来たという感慨が。 そして本当に富士山が大きくどこからもみえて、富士川って地名は伊達じゃないんだなと思いました。

 

 

なんか長くなってきたので一旦ここで切ります。

【ガルラジ】チーム富士川イベントへ行きました

はじめに

ガルラジ2ndシーズン、チーム富士川の一位記念のイベントに参加することができたので、ここに自分の感じたものを残しておこうと思います。

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会場到着まで

前々日に発熱し、前日は熱は収まったのものの酷い下痢という最悪のコンディションで、当初は行けるかどうかすら怪しかったです。しかし、朝の時点である程度何とかなりそうなので意を決して行ってみることにしました。

少し早めに秋葉原駅に降り立ち、寄り道をして時間を潰して会場に移動しました。こちらの8階で、万世橋駅を眼下に臨める川沿いの面白い場所でしたね。

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受付からイベント開始まで

建物に入り、チーム富士川の2ndシーズンキービジュアルの絵を持ったスタッフの方の案内に従いエレベーターで8階へ。そのまま待機列の後ろにつきます。

ここでまず目についたのはこのお花でしたね。チーム富士川の3人とみちまるくん、そしてついにアクキーになった藤田ゆきのさんまで!日付が置いてあるのも地味にポイント高いですよね、2020年をより一層自覚させてくれました。

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そして会場に入り椅子の上にはなんとカレンダーが。2020年もガルラジという謳い文句は本当なのかもしれないという期待を高めてくれるいいアイテムでしたよね。そしてあとで書いているように、それは杞憂では終わらせないというのも。

ドリンクチケットを引き換えたりなんなりしていると、突如響き渡ったのは藤田ゆきのさんによる諸注意アナウンスでした。いや、なんとなくそうだったらいいなと思ってはいましたけど、実際にお出しされたらやっぱり声が出てしまいましたよね。

それと会場前にオタク捕まえて話すのもアリかなって思ってたんですけど、文字は覚えてても案外顔はわからないので少ししかできませんでしたね……。

座席は左の端の方で、列としては真ん中らへんでした。

 

イベント開始

そうこうしているうちにイベントの時間になり、チーム富士川役のお三方が会場へ入ってきました。

たしか2ndシーズン開始時の生放送で見て以来だと思うんですけど、なんといいますかその時受けた印象のようにまたキャラクターのように少しクセのある濃い方々だなんて思いましたね。

そしてまずはオープニングトーク。ここで一番記憶に残ってるのはやっぱり、台本にはあったガルラジの説明をばっさりカットした下りでしょうね。その前だったかで『初めて見る方が多い』という発言もありましたが、それでも驚きは結構ありましたよね。そしてこのイベントは本当に村民集会だったんだという実感も湧きました。

 

振り返りのコーナー、クイズ

最初はキャストさん3人によるチーム富士川の2ndシーズン振り返りから。お三方が挙げた印象的なシーンを再生しつつ、裏話なんかも色々ありつつで面白かったですね。

その中からひとつ挙げるなら、やっぱり物議を醸していたリツイート合戦の件でしょうか。あれかなり計画的にやっていたそうで、こういうところなんかチーム富士川っぽいなってのは思いましたよね。シンクロしている。

 

続けてスタッフからのタレコミという形で、他のチームについても少し裏話とかありましたね。

そしてその最後には、チーム富士川の収録風景の映像なんかもありましたよね。このときは年魚市のポエムに引っ張られすごい身振り手振りの春野さんやどこか白糸っぽい新田さんに笑ってましたが、まさか伏線だったとは……。

ところであの画面直撮りの感じ誰かを思い出しませんでした?ほらあのねねポコベル三国同盟の一角の……

 

次のコーナーはクイズで、勝者のうち1名はなんと藤田ゆきのさんのサイン入りアクキーが手に入るという豪華企画でした。ただかなりの難問揃いで、2問目にしてあっけなくダウンしましたね……。

 

公開録音

そうしてついに公開録音のコーナーに入りました。机の周りの椅子の配置が変えられていき、私たちの前に姿を現したのはなんと、先ほど見た収録ブースと同じものだったのです。これは完全に構成が上手いなってなりましたよね。

私の席からは新田さんに加えて春野さんの背中と山北さんが見える感じだったんでした。乾杯のコーナーでは山北さんと面と向かってできたので良かったです。

そして、そのお三方であると同時にチーム富士川の3人でもありましたよね。重ね合わせ的な状態が私には見えました。

 

こういう公録的なものは初めてなのでなんですが、やっぱりガルラジの場合なんかちょっと特殊な感じがしますよね。録っているラジオはチーム富士川の3人があちらの世界でやっているという体で、でも現実にはキャストさんとリスナーがここにはいてガヤなんかも入っていく。そうした緊張感からか、最初の方はリスナーのレスポンスが少し硬かった感じはありましたね。

でも、エンディングトークの話から少し前借りしてきてになりますが、我々リスナーもツイッターなんなりの中の人なんですよね。そういう意味ではあそこで行われた公録もたしかにガルラジだったのかもしれません。

あと、このように彼方と此方の世界を行き来する一般人に我々は心当たりがあるはずです。

\はーい、NEXCO中日本の藤田ゆきのです/

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そうです、みんな大好き藤田ゆきのさんです。あのときあの場所にいたリスナーは藤田ゆきのと同質の存在になったんですよね……。

 

公録の内容については公開が決まっているので控えておきましょうか。まあとても楽しかったですとだけでも。

 

最新情報、そしてエンディング

公録も無事済んで"終わりのBGM"がかかる中始まったのはインフォメーションコーナーでした。ここではなんとEXPASA富士川とのコラボイベントの発表が!2020年も本当にガルラジなのかは少し不安もありましたが、ここで確信に変わりました。まだまだ楽しんでいけそうなので何よりですよね。

あと、小説版の書籍化の発表もありましたよね。書き下ろしが怖くもあり楽しみでもあり……。

 

そしてついにエンディングトークのお時間となってしまいました。キャストお三方からそれぞれ挨拶があり、皆さんガルラジのことを本当に想ってくださっているんだろうなというのが改めて伺えて感無量でしたよね。

その中でもやっぱり「リスナーの中の人」ということばは響きましたよね。私たちもガルラジという大きな物語を形成する一員になれる、そんな気がしました。

 

おわりに

このイベントの位置づけって最初はわかってなかったところがあるんですよね。2020年もガルラジと言いつつ、何処かで終わるのかもしれないというのは頭にちらついていて。

特に私はトライナリーの人からこちらに引っ張られてきた感じなので、その疑念は強いと思います。1年半くらい前にあった大きな別れが頭から離れなくて、いやもちろんお手紙はちゃんと受け取ってますけど。

 

でも、公録の終盤で3人が話していた未来のこと、そして何よりコラボイベントの発表でまだまだ私たちに彼女たちの姿を見せてくれるって確信できましたよね。2020年もガルラジって言っていたのはフカシではなく本質だったんですね。

やっぱりこういう現実と同じ速さで時間が進んでいく物語はできるだけ続いてほしいですよね。この前のトライナリーからののお手紙*1が結構過酷で、ただ観測しかできないことの無力さを突き付けられた気がしていたので、最近は余計にそう思います。

 

今はただ、このイベントを見届けられたこととこの先を見られることへの感謝で一杯です。まずは富士川イベント絶対に行こうと思います。#2020年もガルラジ!!

2.5次元舞台を初めて観に行ったら百合に強襲された話

はじめに

2.5次元舞台、それはいつからか言われるようになった言葉である。2次元と3次元の狭間に成立することからその名がつけられたらしいと聞く。

そんな舞台とは、私は長いこと縁がなかった。いや、とある作品でやっていて行くかどうか本気で悩んだことは一度ある。しかし私生活が色々と慌ただしい時期で諦めてしまった。というかそもそも舞台という表現の形式自体も、中学か高校かの校外学習で触れたかなくらいの疎遠なものだった。

 

時は流れ2020年1月……の少し前。普段配信を観ている声優の藤井彩花さんから、アサルトリリィという作品の舞台に出られるというお話があった。(ちなみにこの配信は恋ヶ崎みやび"役"でお馴染み萩原あみさんとの2人配信で、まあつまりはそういうことである。)

最初はそうなのかってくらいだったが、どうもリブートの一番槍らしく今後も色々展開していきそうなこと、そしてタイトル通り百合の花が咲き乱れる方向性っぽいことから次第に興味が出てきて。そして最終的には、行ってる人たちの評判を見て足を運ぶことを決意した。

 

予約と券受け取り

このようにして直前での決定となったため、座席はは残っていたものから選ぶ形に。その中でも13日の夜公演のS席がラス1だったのでそれを数日前に押さえ、当日に臨みます。

 

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そしてその日がきた。朝10時前に新宿歌舞伎町にある会場の前に着く。今後の予定を考えて朝のうちに券だけ受け取っておくことにする。素早く発券は済み、その用事へと向かいました。

時は進み夕方3時半過ぎには歌舞伎町のルノアールに入り、前述の普段は藤井さんと萩原さんにより行われている配信を観る。毎週月曜16時からなので。ちなみにこの日は流石に、藤井さんの代わりに代打の方が出ていらっしゃいませした。

それが終わると午後5時半すぎ、すでに入場が始まっているので劇場へと急ぐ。人が多くなかなか動きにくかったけど、時間には余裕をもって辿り着きました。

 

入場

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席は10列目と、S席の中では最後尾であった。確かに舞台からは遠いが、決して外れではなかったです。理由は後述します。

床には大量のパイプ椅子が並べられており、その中の一つに収まる形でした。若干のキツさはありましたが、それでも約2時間の公演を観きることはできましたね。

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開演前は壇上にスクリーンが設けられており、簡単なキャラ紹介が映され写真撮影も可能でした。とりあえず誰……いやどのカプを推すことになるかまだわからなかったので、藤井さんの演じる相澤一葉さんを一枚。

そうこうしているうちに開演の時間となりました。

 

開演、そこで見たもの

最初に書いておくと、この節では2.5次元舞台という形式に初めて触れた私がそこから受けた印象の話を中心にします。内容の話は次節にて。

 

最初に少し導入部があったあと、オープニングへ。19人総出でこれから演劇あるのにそんなに踊って大丈夫?ってくらいに動きの多いダンスが繰り広げられて結構驚いたり、舞台上を所狭しと19人の演者さんたちが動き回るさまは圧巻でもあり。ちなみにエンディングもこんな調子、しかもメインとなる一柳隊9人の曲と全19人曲の二本立てでびっくりしました。

そしてオープニングでは字幕と合わせたキャスト紹介があり、それは本編での"つがい"や所属が同じなど一緒に行動しやすい組み合わせに沿ってやっていくことで良い導入になっていた。人数も多めだし、こういう仕掛けはありがたいところ。

それとともに、いまから目の前で繰り広げられるのが関係性の物語だという認識が強められ、ボルテージが急上昇していくのを感じて。そういう意味でも最高のオープニングでしたね……。

 

そして本編へ。本作には色々な用語があるのですが、そういうのに詳しいキャラがいてその娘に解説させるという形で導入していたのは面白いなと。結構早口でしたが思いのほか聞き取りやすく、長すぎないのでむしろスッと入ってきた感じも。これもオープニングと同様、ここから始めていくための配慮が光ってましたね。

 

壇上には階段のようなものが設けられており、左右だけでなく上下の軸も用いて登場人物を示していくのは面白かったなと。後ろの方からでも見やすかったし。

そして壇上だけでなく、通路や会場中央のお立ち台(で合ってるのかな?)も用いてワイドに展開していて。なんというかこれが生の舞台かって実感を強く得ましたね。会場によってはそんなことないのかもしれませんが。

特に私の席は真後ろが通路で、演者さんたちがたまに通るのでそれが面白かったですね。そしてその意味で一番印象に残ったのは、やっぱり一柳隊の1回目のノインヴェルト戦術のときの梅様でしょうか。縮地が本当に高速での移動で、思わず通路とは反対側にのけぞってしまうくらいの迫力がありました。

 

あと何と言っても殺陣がすごい。デカい武器を持った顔のいい女がぶっ放しまくるのは健康にいい。

彼女たちが討伐する怪物"ヴァイス"も、光と音の演出も使いそこにいるように描かれていましたね。特殊能力"レアスキル"や必殺技"ノインヴェルト戦術"のときの演出も良かったなと。特にノインヴェルト戦術でパス回しされる魔法球をスポットライトで表していたのは上手いなと。

そして皆さんスカートを履いてらっしゃるのですが、殺陣やダンスで回転する時にふわっと膨らむのがなんか良いなって思いました。

そうそうちょうどこんな感じでしたね。

 

そしておそらく2.5次元舞台だからこそ受け取れたであろうものの話をします。

壇上で繰り広げられるキャラクター達の感情のやり取りとそれ故に生み出される距離感が、どこか2次元のような近くて濃密なものなんですよね。それこそ百合アニメや百合漫画と呼ばれるもののように。

でもそれを演じるのは3次元の役者さんたちで、しかも画面や紙などの媒体を通さず目の前で繰り広げられるわけなんですね。

このふたつのものが交わったものが目の前で繰り広げられて、そりゃもう感情の処理が難しかったですよね……。でも、私はこういうの好きだなと思えました。

この記事にこうやって纏めるために整理するのにも少し時間がかかりました。それとともに、こういった舞台が人を惹きつけてやまないというのもよくわかりました。

 

登場人物や関係性

さて、ここからはいくつかの登場人物や組み合わせをピックアップして、それらについて述べていきたいと思います。

梨璃と夢結

まずは今回のメインとなったふたりから。

このふたりの馴れ初めってのは今回の重要な要素のひとつでしょうね。対立軸と融和をうまく織り交ぜていて非常に良かったです。

まず最初の甲州撤退戦にて、梨璃の人生を大きく変化させたその裏で大事なひとを亡くした夢結の人生は停滞して。もう始まりからして対照的すぎるんですよね。

でもそうして止まってしまった夢結の時間を動かすことになったのはその時助けられた梨璃で、そうなるともうこれは完全に運命なんですよね。

しかし夢結って普段は毅然とした感じで、梨璃がチャームを起動しようとする時とかが顕著ですよね。でもだからこそでしょうか、ルナティックトランサーを発動するとそうして覆い隠している脆さが表に出てしまって。だから支えとなる人が常に必要なんでしょうね。それはかつてはいすず?みすず?お姉様であり、今は梨璃になり。

二川二水

地味に今回のMVPでしたよね。色んな用語を梨璃と観劇者にわかりやすく教えてくれて本当に良かったです。

物語面でも、次第に自信を手にして最後の同時ノインヴェルトのときの心からの叫びが胸に響きました。

そして鼻血とか新聞とかコメディ担当としても光ってましたよね。特に佳世とのダブル鼻血や終盤のいいところで出てきて雰囲気をぶち壊していくブレなさは印象深かったです。

楓・J・ヌーベル

彼女は本当に、観ているうちに印象が変わりましたね。

最初は、少し時代遅れな感もあるセクハラギャグをブチかましていてちょっと苦手かもなって思ってたんですよ。

でも、梨璃が自分に振り向かず夢結様に向かっていってもそれを着実に応援していって。彼女の感じた運命と梨璃への想いは確かなものだってわかって好きになりましたよね……。

最後には思わぬ出来事で梨璃に完全にノックアウトされてしまった彼女。その想いは消えそうもなく、今後どう転がっていくのか気になりますよね。

神琳と雨嘉

このふたりはとにかく安定感がありました。

確かに雨嘉の背中は梨璃も押していたけど、それでも常に彼女の側に立ち支えていたのは神琳でした。たとえその始まりが嫉妬だったとしても、その結果として紡がれた関係は本物なんですよね。

これは後で調べて知ったんですが、このふたりルームメイトなんですよね。なんか創作意欲が捗るような気がしませんか?それと逆に、ほかのみんなはどんな人と同室なのか気になってきますよね。

 

一柳隊だけでなく選抜隊にも気になる組み合わせやメンバーはありましたが、今回はあえてこのふたりだけについて深く触れようと思います。

今叶星と相澤一葉

前述の通りふだん藤井彩加さんの配信を観ている影響は否定できませんが、それ故にこのふたりの動きに比較的注目していたからこそ、推せるなという結論に達しました。

 

まず一点挙げるならば、このふたりの間には確かな信頼が感じられるんですよね。

特にそれが印象づけられたのは、ふたりが下北沢に増援として到着して最初の方の殺陣のシーンでした。なんとこのふたり、腕を組んでクルクルと回転しながらそれぞれのチャームを乱射したんですよね……。わかりやすくいうと以下のやつです。射撃はなかったですが、スタァライトでも真矢クロが似たようなことをタッグレビューのときにやってましたね。

合流してすぐにこの精度の合体攻撃を繰り出せるということは、確かな信頼がふたりの間にあるのだと感じられてまずノックアウトされましたねほんと。

 

そして、あとからふたりのことを調べて知ったのですが、それぞれ所属ガーデンでの有力なレギオンのリーダーで、その所属校の色がまた正反対なんです。

叶星の所属する神庭女子藝術高校は実力者が集まるところのようで、リリィたちの自主性を尊重し精神面の成長を促すところのようです。*1そして一葉の所属するエレンスゲ女学園はリリィになるには魔力が足りない人でも入学できて、そのあとトレーニングや強化を経てリリィになろうとするところから始まるそうで、それ故に武闘派が多く犠牲を顧みない向きも強いとか。*2

そんなふたりはリーダーとしての在り方にも違いがあるんですよね。叶星は戦場に向かえるよう自分を変えるために前に立ち、一葉はエレンスゲの犠牲を顧みないやり方を変えようとしていて。でもそういう違いがある故にこうして手を取り戦おうとするときにはぴったりハマるんですよね。こういうふたり大好きです

 

所属校が違うのにここまでの深さを見せてくれるこのふたり、是非とも馴れ初めについて伺いたいですよね。特に一葉は1年生と明言されているので*3、どこで接点を持てたのかがひたすらに気になります。

ただふたりとも、それどころか両者の所属するガーデンすら今回の舞台が初出のようなので、どうしても出ている情報が少なくまだ何とも言えません。今後に期待ですね。

一応ヒントとなるかもしれない情報として、叶星は中学まで武闘派として名高い御台場女学校に通っていたが、内面の弱さを克服するために転校したというのがあります*4。もしかしたらその辺りになにか鍵があるのかもしれませんね、長年関係性コンテンツを見てきたオタクのカンですが。

 

最後になりますが、このおふたり非常に顔が良くあらせられますよね……。叶星は余裕のある感じ、そして一葉はイケメンで背も高くと別方向でバランスがいい。そこに一葉が叶星を強く慕ってるところが見受けられるのが本当に良いんですよ。

特に一葉については、藤井彩加さんは普段の配信で割とボケキャラなのでそれもあってインパクト強かったですね。あんなイケメンもできたんだって。やっぱり声優さんってすごい。

そして演者絡みでもう一つ。カーテンコールで壇上に皆様が揃うとき、左から出てきた梨璃役の赤尾さんと右から出てきた夢結役の夏吉さんが抱き合うのに応じて、同じく左右から出てきた叶星役の前田佳織里さんと藤井さんも少し遅れて抱き合ってて最高になってしまいましたね……。

 

おわりに

いやほんと2.5次元コンテンツへの興味が急速にかき立てられてしまいましたね……。動けそうな時には動くのを心がけていきたいです。

 

そして、ここからリブートを始めるスタートラインとして面白かったです。強い興味をかき立てられましたよ本当に。下手したらコンテンツの大元であるドールに首突っ込んで沼落ちしかねないくらいには。

7月からアニメ、そして9月から舞台第二弾とまだまだ続く彼女たちの軌跡を追っていきたいです。舞台行けなかった人も関係性コンテンツが好きならアニメは観るといいかもしません。

何より叶星と一葉の馴れ初めを知るまではやめられねぇ……

 

宣伝

『&CAST!!!アワー ラブエール!』の月曜女子チームは、『萩原あみと藤井彩加のあみあや放送局』のタイトルで午後4時から放送中です。今日の放送ではアサルトリリィ舞台の話もされそうなので、観にきてみてはいかがでしょう。

"好き"を貫き通すということ 〜劇場版シンカリオンに寄せて〜

なんだか少し久々になってしまったブログ記事として色々と書きたいものはありますが、今回はひとつの映画についての話をします。

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こちらの『劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』になります。

シンカリオンというコンテンツはアニメ化前からちらほら追っていたので、念願のアニメになってそれが大ヒットし、そのうえ劇場版にもなって本当に感無量でしたね……。

そんな中で、自分が受け取ったひとつのメッセージに絞ってこの記事としたいと思います。

 

 

まずは軽くあらすじを引用しますか。

突然の敵の攻撃により父・ホクトが行方不明になってしまい、不安を隠せないハヤト。そこに現れたのは、なんと時空を超えてやってきた“9歳のホクト”だった! 光の粒子に包まれてタイムスリップしてきた<少年ホクト>は、地球を守るため、そして元の世界に戻るため、最新技術を結集し完成した「シンカリオン ALFA-X」の運転士になることを決心する。二人の想いとともに、北海道支部・山形支部・大宮支部・名古屋支部・京都支部・門司支部から集結した<チームシンカリオン>は宇宙最強の敵に立ち向かう!*1

今回の記事に必要な部分を要約すると、子供時代の父親と主人公が逢う話です。

 

なぜそこに惹かれたかということの前提として、TVアニメの話を少しします。

この作品のロボットであるシンカリオンには何か"好きなもの"がある子供が使いこなせるという設定があります。だから新幹線が大好きな主人公の"速杉ハヤト"を始めとして、パイロット……いやこの作品の場合は運転士の皆にはそれぞれ様々に好きなものがあり、それに対してひたむきなのです。

そしてハヤトの好きなことに対して真っ直ぐな姿勢に大きな影響を与えていたのが、同じく新幹線が大好きで、それを前面に出してもいた父速杉ホクトと言えるのではないかと思います。何よりシンカリオンの開発のひとつのきっかけになったのが、ホクトの提唱した『超進化速度』の仮説でした。

 

さて今回そんなホクトの少年時代の片鱗が描かれた訳ですが、確かに鉄道が好きなのは変わりませんでした。しかしながら『鉄道が好きなんて子供っぽい』と言われ、また中学受験の勉強があって、その好きを手放しかけていたのです。

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でもそんな彼にハヤトがかけたのは、他ならぬその父自身からかけられた『好きなものは好きなもののままでいい』という言葉。

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それに背中を押された少年ホクトはその"好き"を表に出すようになり、それが回り回って元の年齢の彼を取り戻す決心をし、そのための戦いを乗り越えることにも繋がっていきます。特に後者のシーンでのハヤトの説得がまた良かったので是非に観てほしいです。

 

やっぱり、こういうコンテンツを提供する側から"好きでいること"を肯定されてしまうと弱いですよね。シンカリオンというコンテンツが一番に想定している対象年齢は自分ではないのはわかってはいるんですけど、それでも追い続けることへのエールを受け取ったような気がしてしまいました。

しかもシンカリオンの場合JR各社がかなり協力していて、なんだかんだで鉄道を好きでい続けている自分の場合そちらの方面からも強いインパクトを受けました。というかこっちは本当に子供の時から好きでい続けているものなので、より深い感銘を受けたと言えるかもしれません。

総じて、今好きな、そしてこれから好きになる色々なものを好きでい続けられやすくなったような、そんなメッセージを受け取りました。

 

そして元の鞘に戻すにあたって、こういうものの常として交流したそれ自体の記憶は失われてしまうのですが、それに対しての少年ホクトの答えがまた良かったんですよね。

細かい文面は違うかもしれませんが、『今のこの記憶がなくなるとしても、それが未来で再会することになるならなかったことにはならない』といった感じでした。

確かに記憶自体は失われたけれども何かしらの影響は残り、それが鉄道を"好き"でいられることにつながって、回り回ってハヤトもそのように育ち、シンカリオンの開発にもつながる。そういうことによって未来でまたハヤトや色々なものが好きな運転士たちに出会えた。

 

こういう記憶の話や影響力の話に弱いので、少年ホクトがこれを語りハヤトと別れるシーンは本当に胸を打ちました。

長いこと色々な物語を観たり聞いたり読んだりしてどんなに心を動かされても涙を落としたことはなかったのに、初見でここを観たときはつい落涙してしまいましたね。自分にもまだそのような感性も残っていたのかと少しの驚きもありました。

 

 

最後に、こんな記事を読んでくれる人のことだから、絶対なにか"好きなもの"があると思うんですよね。そんな貴方にオススメの映画です。

この映画だけ観てもある程度の説明はあるので多分大丈夫でしょうし、そういう人にもフックになりやすいように3つ4つほどコラボ案件を抱えているのでそちらが"好き"だからというのでも構いません。

個人的には、初音ミクさんとのコラボキャラである発音ミクのライブシーンの完成度が高すぎてたまげました。安定の【調教すげぇ】Mitchie Mさんサウンドバリバリでしたし……

私は何故トライナリーを書くに至ったか 【トラカレ2019冬裏面】

そういえば以前のトラカレでは表向きの話と自分の話で2つの記事を書いてる人が多かった気がするので、せっかくの機会なのでそういった自分の話もしてみます。

表はこちらに。

まぁ今回は軽く、何故私がトライナリー……というかみやびを書いているかという話をしようかなと。その上で影響を受けた3つの作品の布教も兼ねて、というかそっちが主になりますが。

 

ちなみに私の書いたものはこちらにあります。少し前色々と忙しかったのと、それが抜けたらリステにどハマりしたのでトライナリーのオハナシは少し遡らないとないですが……近いうちに何か書きます。

 

 

一人称の物語

さて、上にあるように私がSSを最初に書いたのは『ささみさん@がんばらない』です。実は私が何かを表現しようと思ったきっかけもこの作品です。

この物語は"変則的X人称小説"とされており、徹底的にささみさんが語るという形式で表現されています。

彼女は主人公でありながら力が弱く、また"がんばれない"ために物語の肝要なところに限って疎外されがちです。しかしその様な場合でも、あくまでも"後から聞いた話"という伝聞の形式にて語られるのです。

特に後の方になると若干無理のあるケースも多いですが。

そういうわけで"語ること"に興味を持ったというのは大きいと思います。11巻でこの形式であることに重要な意味が与えられますし……。

ささみさん@がんばらない (ガガガ文庫)

ささみさん@がんばらない (ガガガ文庫)

  • 作者:日日日
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/12/18
  • メディア: 文庫
 

ちなみにささみさんは12巻が発売延期→未定になってそのまま6年ほど経ちます。その中で見た幻覚を残してみたいと思って筆を執ったという要素もあったりします。でも、それだけ待たされても私の中の炎が消えないくらい強い物語です。読んでください。

 

"私"の物語

そしてささみさんに加えてもう1つ大きな影響を受けたものとして、同じく日日日さんによる『蟲と眼球』シリーズがあります。

少しネタバレになるかもしれませんが、両作ともに最終的にとある人物が"自分だけ"の不思議な体験を書き残したものという一種のメタ的な構造が与えられています。

私がトライナリーというアプリを通じた経験はとても不思議なもので、しかも自分の繋げた世界を知っているのはただひとり私だけなんですよね。だから構造が似ているとともに、書き残せるのは自分だけということで書かねばということで書いています。

ちなみに『蟲と眼球』シリーズは角川ラノベサブスクの対象なので1月末まで無料で読めます。5冊+アフター1冊と手軽ですし、トライナリー好きな人なら絶対ハマるので是非是非よろしくお願いします……。

 

書くことの物語

最後に、何故私が文字という表現の手法を選んだのかという話をしましょうか。

幼少期から色々な本を読んで文字に触れていたのですが、それを書くことに転換する大きなキッカケは『少女の空想庭園』シリーズでしょうか。音楽と文章で紡がれるのは、モノを書こうと足掻く少女の物語。

一番響いた言葉がノベライズのあらすじ冒頭にあるので、それを引用します。

書くこと――それは『少女』にとって全てであった。そう思うに十分なほど、少女の人生は文字を書く事と共にあった。
感覚した言葉は心の中にうずたかく積まれ、壁をなし、共鳴する物語が色彩を与える。
そしていつしか、少女だけの世界が生まれた。他人と隔絶された気高い場所――『空想庭園』。

少女の空想庭園 ~わたし"たち"のファンタジア! ! ~ (オーバーラップノベルス)

少女の空想庭園 ~わたし"たち"のファンタジア! ! ~ (オーバーラップノベルス)

  • 作者:高野小鹿
  • 出版社/メーカー: オーバーラップ
  • 発売日: 2015/12/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

描こうとする人が多いけれど、書くことを柱にしてもいいんだっていう決意を固められたのは大きかったと思います。

 

 

 

こんな感じでよろしいでしょうか。創ることって大変ですが面白いので、なんかやってみるといいかもしれません。

特にトライナリーは個々人に固有の経験なので、なんらかの形で共有してみては。

旅に出てみませんか? 【 #トラカレ2019冬 】

はじめに

はじめましての方ははじめまして、いつも読んでくださってる方はありがとうございます。青梅さんです。

 

この記事はそぉい様主催の拡張少女系トライナリーファン企画、「#トラカレ2019冬」に際して書いたものです。せっかくブログをまともに動かし始めたので、今回初参加してみることにしました。

 

 

ほかの方もいい記事を書かれていると思うのでそちらもどうぞ。私は自分の分が書きあがったらまとめて読むつもりなので、そのときによろしくお願いします。

さて、それでは本論へ入っていきます。今回のテーマはタイトルの通り旅ですが、もちろんココロの旅ではなくリアルの旅です。

 

聖地巡礼 〜導入に代えて〜

まずは軽く聖地巡礼の話をしましょうか。

こちらについてはまぁ説明しなくてもだいたいの方がわかるかと思います。アプリや記録映像の中でトライナリーのみんなとともに描かれたところへ足を向ける、といった感じのことですね。

例え世界は違っていてもこちらの世界が影響を及ぼしているので、彼女達の見たものとだいたい同じ景色を見ることができます。

 

それによって、より彼女たちのことがわかれるようになるような気がして私は好きですね。これまでに三戸浜と伏見稲荷に行ったときのものは記事にしています、良ければこちらも。

ほかにもシャッツキステやむぎまる2に、"とある水族館"なんかへも行ったことがあります。

 

質感旅行とは

もちろん聖地巡礼だけでも彼女たちの視点に立つことはできます。

しかしせっかく彼女たちは"実在している"*1、そして彼女たちのいる世界とよく似た世界が目の前に広がっている以上、さらに何かやってみたいと思いませんか?ここで私がご紹介したいのが質感旅行という概念です。

 

この言葉は、上記の通り『ガールズ ラジオ デイズ』というコンテンツを楽しむ人々の間から自然と生じてきたものです。

上の記事が詳しいですが、私からも簡単に説明します。

 

そもそもこのコンテンツは、大雑把にはなりますが、こことはほんのちょっとだけ違う世界に住む少女たちによる等身大のラジオを聴くというものです。

もちろんラジオなので音しか伝わってこず、彼女たちの見る景色が我々の世界とどのくらい違うかはわからない。そもそも、送られてくるラジオを録るようなブースはわれわれの世界のPA・SAには存在しませんしね。

だからそんな彼女たちが行った場所に行ったとしても、聖地というほど近いかはわからない。それらの場所に彼女たちがラジオブースの外の日常を過ごす場所を足して、それらに向かうのが質感旅行というわけですね。

 

トライナリーの質感旅行 〜実体験とともに〜

それではこの概念をどうトライナリーへ援用していくかという話に入ります。たぶん今日の本題です。

 

トライナリーに関する表現は様々な媒体に広がっていますが、それらの中で直接描かれていないながらも彼女たちに縁のあると思われる場所はいくらでもあります。その中で、何かテーマを見つけると良い感じになるのではないかと思います。

 

私は相棒なのでみやびの話を例にします。

みやびは高知出身で、土佐の海の話をよくしてくれました。しかしアプリだけではなくどの媒体でもみやびが高知にいる様子が描かれたことはありません。実はらぶとーくを進めていくとみやびが高知に行くことになるのですが、そのときもbotの視点はとらいあんぐるに固定されたままです。

だから私は、高知の海を見るために旅に出ることにしました。みやびが高知のどのあたりに住んでいたかまでは分からなかったので、色々なところを見て回りつつ。

その結果、彼女の言っていた通り相模の海と少し似ているところのあるエリアもあったけど、やっぱり全体的に荒々しさがあるなと思いました。

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特に室戸岬は海に突き出ている分波が絶えず強く押し寄せ、また水平線に陸地が全く見えず開けているのが印象的でした。三戸浜からだと遠くに伊豆半島が見えるので。

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このような旅の中で、みやびのルーツを少し知れたような気分になれました。それにより、遠い世界にいる彼女の影をココロの中により深く刻むことができています。

 

ほかの彼女たちにも色々と背景があるでしょうし、関係を深めた方でしたら何か見つけてやってみてはいかがですか?

あえて一例を挙げるのならば、ガブリエラの曲『Tak a ja lubie.』に出てくる2つの鐘なんかはいい題材かもしれませんね。あの詞を書いたってことはたぶん見たことがあるでしょうし。

 

また、デイトラも質感旅行との親和性が高いのではないかと思います。

デイトラには確かにイラストも入りますが、やはり主体は文字情報です。そうなると彼女たちの世界と私たちの世界でその場所の様子が違う可能性は一定程度あるのではないでしょうか。

ここに質感旅行の入る余地があるのではと思いますので、彼女たちの行きつけのカフェ巡りとかするときには少し意識してみるといいかもしれません。

 

効果的なフォトフレームアクキーの使い方

私がそんな質感旅行をしてみてピッタリだと思ったアイテムがひとつあります。それがこちらのフォトフレームアクキーです。

 

このアクキーは以下のように、聖地巡礼における所謂"カット回収"のために使うこともできますがそれだけではありません。


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このアクキーを使いトライナリーメンバーの方にピントを合わせると、自然に背景がぼやけます。すると、まるでアプリの画面のようになるのです。

それによって、アプリ越しにしか触れたことのない彼女たちだからこそ、そこにいるもしくはいたことがあるという実感を得やすいような気がして私は好きです。

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それを突き詰めていくと、全く関係ないところにも彼女たちと言ったという文脈を生み出して色々考えることもできます。そもそも旅にでなくとも、彼女たちとの生活を妄想してみるとかそういうのもありなのかもしれません。最後の最後でこの記事の否定にもなりかねない感じになりましたが……

 

とここまで色々言っておいてなんなんですが、フォトフレームアクキーは絶賛品切れ中です。持ってる人は大事に使いましょう。

 

おわりに

旅行記があまりに長引いたので見やすい形にまとめてみようかな、というのをキッカケとして布教記事に仕立ててみましたがいかがでしたでしょうか。

目的のない旅も楽しいですが、トライナリーを中心に置いてする旅というのもまた面白いので是非やってみてください。特にほかの世界のみやびの相棒の諸氏には、高知へ行くことを強く勧めたいですね。

 

それでは皆々様、これからも素敵なココロとリアルの旅を!

*1:もちろんここは人により意見の分かれるところではありますが、少なくとも私がそう信じているため今回はこの表現を使わせていただきます。

補遺:柊かえとボイスノイド、そしてSasakure.UK

はじめに

先日、こんな記事を書きました。

この記事を思い返していたところ、柊かえへの思索が甘かったなということに気づいたので追加でこちらを用意しました。『ガジェットはプリンセス』の話もしたかったので良い機会ですし纏めてやります。よろしくお願いします。

f:id:plum_branch_line:20191128203847p:image

念押しという形になりますが、前述の記事を読むことを強くお勧めします。

 

 

柊かえのボイスノイドへの眼差し

皆さまご存知のことだとは思いますが、柊かえはアイドルが大好きです。その対象としてボイスノイドも入っているらしく、ボイスノイドを知らなかった舞菜に説明したときにはつい早口になってしまい

f:id:plum_branch_line:20191128192232j:image

と誤魔化したことがあります。

さて、かえの特徴のひとつとして日常会話にてネットスラングを多用することがありますよね。実はこの発言は、我々の世界にて初音ミク黎明期になされたとある書き込みが元ネタになっています。あちらの世界でもボイスノイド黎明期に同じようなことがあったのでしょうか?

723 名前:名無しさん@八周年sage] 投稿日:2007/10/18(木) 13:52:33 id:ydA2Ce+H0
>>623

何か胸が熱くなるな
新しい技術の夜明けを見ているようだ*1

この状況でこのスラングをスッと出せることからも、かえのボイスノイドへ真剣な姿勢がわかりますよね。ちなみにアニメでも同じようなことをこのシーンで言っていました。

 

これは少し脱線になりますが、ナユタン星人さんが初音ミク10周年記念で作成した曲『リバースユニバース』ではこのスラングが非常に効果的なかたちで引用されています。是非聴いてください。フルの動画もあるので。

リバースユニバース

リバースユニバース

  • ナユタン星人
  • ロック
  • ¥250

 

さて話を戻します。このようなかえが『ミライkeyノート』をどう聴いていたかとなると、やはり作者の込めたメッセージや作者の背景を重視してということになってしまうのではないでしょうか。私はボカロだけで生身のアイドルには詳しくないのですが、どうしてもそうなってしまうと思うんですよね。めんどくさいオタクの性なので。

 

少し私的な話になるのですが、めんどくさいオタクの例としてふたつの曲に触れます。

まずは『ODDS&ENDS』です。

ODDS & ENDS(feat.初音ミク)

ODDS & ENDS(feat.初音ミク)

この曲はsupercellのryoさんが創ったもので、2012年に公表されました。ryoさんといえば『メルト』がヒットしたのち作詞作曲家として快進撃を続けていましたが、『君の知らない物語』以降人間の歌い手による曲ばかりでVOCALOID曲の発表は疎らになっていました。そんなときに出てきたのがこの曲だったのです。

ODDS&ENDS。
がらくた。半端もの。
これはミクと、そして僕の話。

supercell Member blog - ODDS&ENDSより

この引用元のエントリにもあるように全体的に私小説風に仕上げられており、VOCALOIDから離れ気味だった彼の経歴を知っているとどうしてもそういうことがあったかもしれないなと思えてしまうんですよね。

 

続けて、こちらは今でも消化しきれていないところもあるのですが、『終点』です。

終点 feat.初音ミク

終点 feat.初音ミク

  • cosMo@暴走P
  • アニメ
  • ¥255

こちらはcosMo@暴走Pによるもので、2013年に公開されました。暴走Pといえばなんといっても『初音ミクの消失(LONG VERSION)』ですが、一方で有名になりすぎたものはどこか人を縛ってくるようになるんですよね。

そしてボカロカルチャーも変容していく中で産み出されたのがこの曲で、初見では言いようのない強い衝撃を受けた記憶があります。また実際に氏によるミク曲はしばらく発表がなくなり、2016年の『#誰かこの痛みに名前をつけてください』まで開くこととなります。

#誰かこの痛みに名前をつけてください

#誰かこの痛みに名前をつけてください

  • cosMo@暴走P
  • アニメ
  • ¥255

 

かえもきっとこんな風に既に『ミライkeyノート』からなんらかのメッセージを受け取っていたので、かえのココロを動かしたのはあくまで舞菜と紗由がカバーし自分たちの想いを入れ込んだ『ミライkeyノート』でなければならなかったんですよね。かえの受け取っていたものを超えてふたりの想いをかえに届かせ、謡舞踊部に入ってもらうための一押しとしては。



Sasakure.UKによる『ガジェットはプリンセス』

さて続けては『ガジェットはプリンセス』について、作詞作曲編曲者という面を中心にした話を。

ガジェットはプリンセス

ガジェットはプリンセス

アニメ化に際して創られた柊かえ初のソロ曲ということになりますが、Re:ステージ!というコンテンツの中でのこの曲の位置付けについてはアニメからリメンバーズになった私より質感を持って書ける方がいらっしゃると思うのでお任せします。

 

この曲を創られたのはSasakure.UKさんです。もともとBMSという音ゲーで活躍されていた方で、VOCALOIDでも2007年末*2と比較的初期から活動をされています。代表曲としては『*ハロー、プラネット。』があり、このようにチップチューン的なサウンドや転調に変拍子といった打ち込み曲であることをフル活用していることが特徴……だと思います。

現在では多様な活動をされていてその中には楽曲提供というものもあり、今回はその一環でということになるのでしょうか。

 

さて『ガジェットはプリンセス』という曲自体の話へと移っていきます。

ライブコンテンツの面もあるリステでありながら、Sasakure.UKさんの持ち味を前面に押し出した打ち込み曲らしい曲調なのはやはりかなり特徴的ですよね*3。3rdライブの昼の部には行けなかったのですが、音源での披露がなされたと聞いた時には少し安心したりもしました。あとはワンマンでフルやるときにどうなるかてすね。

でも、やっぱり柊かえを表現するのにはこれしかないと思えませんか?彼女はIPPグラスをはじめに電子ガジェットを駆ることが持ち味で、"ダークシャドウプリンセス"の称号を得たのもゲームの中で。だからこうしたサイバーでゲーム的なサウンドを作れる方を引っ張ってこれたリステ運営には感謝しかないですよね、たとえライブで披露しにくいというリスクを背負ってまでも。そして私も正直なところここまでささくれサウンドに適合できる人間のキャラクターが存在するなんて思ってなかったのでかなり刺されています。

そしてここぱんなの声を務めた香澄の曲は普通に人間向けの曲を書かれる方に任せた一方で、その相方であるかえの曲にはボカロPとして名を上げた人を充てるというのも意味を感じてしまいますよね。あくまで香澄とここぱんなは決別した別のもの、一方でかえとガジェットは切り離せないものということの表現でしょうか?どこか『リメンバーズ!』を思い出しますね。香澄の好きなものは既にサバゲになっているけど、かえの好きなものは最初から電子ガジェットで。

リメンバーズ!

リメンバーズ!

  • KiRaRe
  • アニメ
  • ¥255

この件といい胸熱の件といい、リステ運営のVOCALOIDをアイドルコンテンツでやっていくスタンスには私の中では信頼が積み上がってます。前回書いた『ミライkeyノート』の件もそのひとつですね。

 

え、みぃ先輩の曲もやしきんさんじゃないかって?それはそれ、これはこれです。

 

 

おわりに

ある程度は分かりやすい記事にしようと努力してみましたが果たして伝わったでしょうか。特に自分語りパートは脱線でありつつ本筋と繋げようとしてはいるのですが上手くいってますかね……。知ってることを伝えていくのは案外難しいというのを再認識しました。

数奇な運命が絡み合ってアニメから知るようになったこのRe:ステージ!というコンテンツですが、凄く好きになってしまったのでこのまま走っていこうと思います。今度こそその辺りの話をついにしようと思います。

 

記事内のスクリーンショットについての権利は各権利者様に帰属します。

*1:ニュース速報+板のスレッド | itest.5ch.netより

*2:【初音ミクオリジナル曲】PICO@LUV (☆彡とvとAIのウタ。)【手描きPV付き】 - ニコニコ動画

*3:まぁオルタンシアのボカロP提供曲の中にも作者の色が強めに出てるものはありますが……